4.組み立ててみましょう

(1)手順



さて、パーツがそろったところで組立にはいる。
組立のおおざっぱな流れは以下のとおり。

(ア)マザーボードに、CPUを取り付ける。
(イ)マザーボードに、メモリを取り付ける。
(ウ)マザーボードを、ケースにとりつける。
(エ)マザーボードに、ケースの電源からのびているコードをつなぐ。
(オ)マザーボードのスロットに、ビデオカードを取り付ける。
(カ)キーボードをつなぐ。
(キ)ディスプレイをケーブルでつないで、電源を入れてみる。(火入れ)・・・最小構成テスト。
画面にBIOSが浮かび上がれば、O.K.。
ディスプレイをはずして、次の作業に進む。
(ク)フロッピーディスクドライブをケースのベイに取り付ける。
(ケ)フロッピーディスクドライブとマザーボードをフラットケーブルでつなぐ。
(コ)ハードディスクドライブをケースのベイに取り付ける。
(サ)ハードディスクドライブとマザーボードをフラットケーブルでつなぐ。
(シ)CDロムドライブをケースに取り付ける。
(セ)CDロムドライブとマザーボードをフラットケーブルでつなぐ。
(ソ)マザーボードの空きスロットに、サウンドボードを取り付ける。
(タ)サウンドボードとCDロムドライブの音声出力端子をつなぐ。
(チ)フロッピーディスク、ハードディスク及びCDロムドライブに電源からのびているコードをつなぐ。
(ツ)ケースのふたを閉める前に、ディスプレイをつないで、電源を入れてみる。・・・火入れテストその2
特に問題がなければ、ほぼ完成。
(テ)ケースのふたを閉める。

今回の、私の自作マシンは、SCSIのハードディスクを使っているためSCSIボードの取り付けがある。そのため、若干手順に相違があるけれども、大きな流れは、ほぼ同じと言って良い。


(2)CPUファンとの格闘



まず、組み立てる前に、組立部屋の片づけをしておくこと。箱や袋からパーツを取り出して組んでいくので、結構場所をとるのだ。
さらに、静電気に注意しよう。プラスの先が磁石になっているドライバーと予備のねじ類を用意すること。

準備が出来たところで、おもむろに、マザーボードを箱から取り出す。
次に、CPUをとりだす。今回購入したCPUには、CPU冷却用のファンが同梱されているので、それも出す。
そして、(ア)の作業にはいる。
マザーボードを平らなところにおいたら、早速、眺めてみよう。「うーん、マンダム」と唸ることが出来たら、取扱説明書をひらく。
で、多くの場合、マザーボードの説明書は、英語で書いてある(たまに、中国語で書いてあるものもあるけど)。
日本語で書いてある取扱説明書がついているマザーボードは総じて高い(値段が)。というわけで、安くすまそうと思ったら、英語で書いてある説明書を読むことになる。
パソコン自作の先達曰く「そんなに難しい英語じゃないから心配ない」。
しか〜し、私の英語力(一応英検2級)では、はっきりいって不安である。
なにしろ、1万円以上したマザーボードである。英語の読み間違いで壊してしまっては一大事。そこで、愛用の「ニューアンカー英和辞典」(今でも売っているのだろうか?10年以上も前に買ったもの)を投入した。

で、CPUを取り付ける。意外と簡単だ。スッとはまってさくさく。
次は、CPUに冷却ファンを載せる。
その際、ファンには最初から熱伝導シールがついているのだが、せっかく買ったシリコングリスがあるので、この熱伝導シールをカッターの背で丁寧にはがす。
そして、シリコングリスをCPU(セレロン)の上に薄く丁寧に引き延ばした。シリコングリスは、熱の伝導性能がシールより高いという。
そして、いよいよCPUにファンを載せて、さぁ、マザーボードの爪にファンの金具を引っかけるぞ。
「んっ!ちょっときついな。届かないか?向きが違うのかな。いや、あっているな。では、もう一度。」
「ありゃ、これはきつい。ペンチを持ってくるか。」
「えい!」「うやぁあ」「どりゃぁ」「う−−−−−−ん」「ぐ−−−−ん」
「なんだ、こりゃあぁ!!」
とにかく、この金具がむちゃくちゃ堅くて、マザーボードの爪に全然引っかからない。
ペンチで挟んで、前体重を掛けてもだめだ。私は、ご存じかもしれないが、決して軽い方ではない。その私の前体重が、CPUにかかっている。そして、CPUをとおして、マザーボードにかかっている。大丈夫か?
よし、もう一度体重を掛ける・・・
「えい!」バティーン!!とペンチがはじけた。その勢いでマザーボードの基盤にペンチの先が擦れた!
ドキッ「壊したか?」・・・壊れたときは壊れたときだ。とりあえずこのまま進める。
もはや、シリコングリスに空気が入らないようになどと言う余裕はない。
よっしゃ、もう一度全体重を掛けてみる。
「えいやぁー!」(もうちょっとだ、もうちょっと)「でぃやー」(なんかかけ声ばかりで申し訳ないが、決してオーバーではない)
・もうちょい
・あとちょい
・う・・・・ん
カチッ「はまったぁー」

フー、やっと(ア)を突破。先が長そうだ。ゼーゼー

CPUファンを取り付ける金具がかたく、なかなかつなかない、というのは、私だけではなく、よくある話であることは後で知った。
当時の私はこんなにきついものだとは思わなかったので、何かとんでもない間違いをしているのかと思ったぐらいである。
パソコン自作は、体力も必要であることが実感できたのだが、自作に挑戦しようとされているあなた!、こういうこともあるので、覚悟しましょうね。
と申し上げます。とにかく、今回の自作中、最も疲れたのが、このファンのセッティングであった。
それから、ファンからのびてる電源ケーブルをマザーボードのCPUファン用の電源コネクタとつなぐことを忘れずに。
なお、私の自作記を読んでそのとおりにしたからといってうまくパソコンが出来るとは限らないので、念のため(笑)。(00.04.24)