(2)CPUとマザーボード

ここからは、講座と実践にわけて書いていきます。
というのは、自作に挑戦するに当たっては、やはり入門書を1冊ないし2冊用意して、まずそれを読むところから始めるべきだからです。
私は、まず『かんたん自作パソコン入門』(佐々木康之著・技術評論社)を購入して読みましたが、非常に勉強になりました。やはり、基本を押さえてから、買い物に行かないと何を買って良いのか途方に暮れることになりかねません。
そこで、このボードでもその流れを再現していくこととします。なお、講座の内容は『かんたん自作パソコン入門』とは必ずしも一致していません。

CPU


<講座>


パソコン自作の第一歩は「どのCPUを用いるか」を決めることです.使用するCPUに合ったCPUクーラー,マザーボード,メモリを選びます.CPUの性能はほぼ値段の順番どおりといっていいでしょう.値段の高いタイプのCPUを選ぶと,それに応じてCPUクーラー,マザーボード,メモリの値段も高くなる傾向があります.グラフィックアートやゲームやDVDが目的ならPentium III(Slot 1)やAthlon(Slot A)にすべきです.ワープロや表計算やインターネットなどが目的ならCeleron(Socket 370)やK6-III(Socket 7)がお勧めです.

CPUクーラーは決してケチってはいけません.CPUは動作中,高熱を発しており,これを放っておくと暴走を起こします. 製品として売っている(これをリテール品という)プロセッサにはあらかじめCPUクーラーがついています.

<実践>


私は、CPUはCeleron(Socket 370)を第1候補とした。というのは、パソコンの先達から「CPUはSlot型からSocket型に戻ってくる。Pentiumも時期バージョンはSocket型になるはずだからCeleronを選んでおけば将来CPUを交換しやすい。」という話を聞いたから(ただ、現在の最新CPUの(Socket 370)は、Celeron用(Socket 370)とは互換性がない。おいおい。)。それに、今回の自作機は、ワープロや表計算やインターネットなどが目的だからね。K6-III(Socket 7)もマザーボードが比較的廉価なので考えたのだが、調べたところ、K6-IIIシリーズは設定が細かいので初の自作には向かないと考え却下と相成った。
さて、Celeronにも、いろんなクロック周波数があるのだが、どれにするか。実は、これについては私なりの基準をもっていたのであっという間に決まった。予算1万円以内で購入できる、最も高性能なもの。という基準だ。よって、433メガヘルツで決定。「ワープロや表計算やインターネットなどが目的」である場合、予算1万円、というのは、妥当な基準だと我ながら思う。さて、このCeleronの場合、動作保証外のクロックアップによってコストパフォーマンスを高めるというのが、一種の流行りなのだが、私はやらない。だって、仕事に使うんだもの、突然フリーズなんかされたらたまらんよ。

で、通販で購入。ソフマップで9,300円(税別)。
なお、リテール版を購入したのでCPUファンは箱の中に入っている。
なお、Intelの純正CPUファンはうるさいので有名とのことですが、結果的には気になるほどではなかったことを報告しておこう。

マザーボード


<講座>


マザーボードはパソコンの各部品をのせる土台です.CPUに合わせて選びます.マザーボードは最も取り替えにくい部品なので,妥協せずに最新のものを購入することを勧めます.いまはATX仕様のものが一般的です.

<実践>


とりあえずCeleronが使えるものでなければならないので、Socket370の物を探すことになる。さらに、省スペースを考えて、MicroATXにすることにした。さらに、NEC製のPCIビデオカード「PC9821X−B03」を流用する予定なので必ずしもAGPバスは必要ない。ましてや、オンボードのビデオ機能はいらない。そして、予算は1万円である。さて、お目当ての物があるか。
秋葉原を半日かけて歩いたが「ない」。これが結論である。Socket370のMicroATXのマザーボードはいっぱいあるのだが、みんなビデオ機能がオンボードなのである。さらに、1万円程度のマザーボードがそもそもない。みんな1万3千円以上する。おお、安いな、と思うと、Socket7だったりする。MicroATXではなく、ATXなら結構あるのだが、MicroATXではなかなかみつからない。
あちこち見て歩き、お陰様で、「MicroATXは、ビデオ機能及びサウンド機能はオンボードにして、バスの数の少なさをカヴァーという設計思想」らしい、というのを体で理解できた。
そこで、私もついに妥協。この際、ビデオ機能がオンボードでも良いじゃないか。ただし、AGPバスは必要ないからPCIバスが3本ぐらい欲しい。
はっきり言って、講座に書いてるように、「最新の物」という基本とは乖離しているが、自作機のコンセプトからしてしょうがない。

で、見つけました。ソフトアイランドで、1万800円のマザーボード。ビデオ機能及びサウンド機能はオンボードだが、AGPバス無しで、PCIバス×3、ISAバス×1(PCIの内一つと選択)。考えてみれば「PC9821X−B03」は、チップはMGA、MatroxMilleniamのOEM製品とはいえNECのPC9821専用のビデオボード、自作機つまりPC/AT互換機(ドスブイ機)で使えるかどうかは全く保証の限りではないのだ。だから、オンボードのビデオ機能は、「PC9821X−B03」が使えなかったときの予備と考えれば良いか。
で、購入。ELITEGROUPのP6SEP−MEという製品。
箱もちっちゃくて気に入った。

後から分かったことなのだが、このELITEGROUPの製品は、一般的にはSlot 1とSocket370の両方を搭載するマザーボードを作っているメーカーとして有名なんだそうで、最初はCeleron、あとからPentium IIIに載せ換えられるマザーボードとして自作派向けのマザーボードとのことだ。私の感覚からいえば、Slot 1とSocket370両方を搭載しなくて良いから、もっと安くしてくれ!というところだが、面白いものである。もちろん、私の買ったP6SEP−MEは、Socket370オンリーのボードである。


ちなみに、私は、マザーボードを購入するに当たって、どんなメーカーのどんなボードがあるのか全然調べずに秋葉原に出てしまったのだが、マザーボードはものすごくいろんな種類があるので、ドスブイ系の雑誌で情報を収集して行った方が良いと思います。
大手メーカーとしては、ASUSTeK、GIGA-BYTE、Aopenなどがあるようです(はっきり言って、まだよく分かってない)。(00.02.20)